市町村合併問題が取り沙汰されていますので、近隣4自治体の財政の特徴を比較しました。
資料は「IBARAKI NOW 茨城県市町村ガイド」H12.12.20 市長会、町村会発行のもので、百万円未満は四捨五入しました。(何が見えてきますやら)

使用するグラフ その1

4自治体の歳入表(県資料抜粋)(用語説明)

上の表で「地方交付税」とあるのは「地方交付税交付金」のことです。

歳入の要素を円グラフで表示

円形グラフは比率を表す代表的なグラフです。
データを構成する要素の夫々が、データ全体の何パーセントを占めているかを表現します。
特徴として、下記が挙げられます。
1.「一つの系列の合計額を100%とする円」で、数値または%を付け量を表し、全体の中に占める割合を表示します。
2.「一つの系列だけを表示」します。
どういうことかといいますと、
(1)系列を「行方向」に定義すると、その1行の要素についてのみ円グラフを作成します。
(2)系列を「列方向」に定義すると、その1列の要素についてのみ円グラフを作成します。
失敗例:例えば項目名4市町、要素名6個を選択して、「列方向を定義」すると、自動的に4市町の合計額の比率でもってグラフができてしまいます。(試してみてください。)
(下記4例は夫々一つの行方向についてのグラフです。)

グラフでわかった事柄
各自治体ごとの「歳入における科目夫々の構成比率」です。
1)利根町は他に比べ「地方交付税交付金依存型」であることが分ります。
2)利根町の黄色い「その他」がたに比べて大きなウエイトを占めています。金額のみで比較すると余り目立ちませんが、グラフにすると引き立ちます。一体なんだろう?ということになります。

使用するグラフ その2

棒グラフで表示してみる

集合棒グラフ

棒グラフは誰にも分り易い親しみのあるグラフです。
集合棒グラフは、データの構成要素を同一項目内(例えば「同一自治体内」で)で比較したり項目間(他自治体との関係)でその要素を比較したりするときに利用します。

第1図

第1図を作った「グラフウイザード」の手順です。

  1. 表で「範囲選択」:第2図で罫線内を選択(合計欄は入れないこと)
  2. 「グラフウィザード」起動(標準ツールバーより)
  3. 「グラフウィザード1/4グラフの種類」ダイアログより「縦棒」→「集合縦棒」を選択[次へ]
  4. 「グラフウィザード2/4グラフの元データ」で、「系列」→「列」をチェック[次へ]
  5. 「グラフウィザード3/4グラフオプション」
    「タイトルとラベル」タブ欄で、
    (1)「グラフタイトル」に [あああああ] と記入
    (2)「X/項目軸」に [いいいいい] と記入
    今回は不要ですが、とりあえず。(グラフエリア内の何処にでも移動し、この文字盤が使用できるからです。何かを書き込みしたい場合テキストボックスのお世話にならなくて済みます。)
    (3)「Y/数値軸」に [ううううう] と記入

    以上3っつとも、その場で「H12年度何々」とが「単位:千円」とか記入しても良いのですが、後でいくらでも修正ができますので、私はそうしています。(記入スペースの確保をするだけです。最も後になって、グラフエリアを選択した状態で[メニューバー]→「[グラフ]→グラフウィザード3/4の[グラフオプション]でやり直をせばスペースはできますが。)
    「データラベル」タブ欄で
    「値を表示する」をチェック[次へ]
  6. 「グラフウィザード4/4グラフ作成の場所」で、同一ページ内に作成するのであれば「オブジェクト」チェックのままで「完了」ボタンです。
    すると、「グラフエリア」が選択された状態で現れ、同時にグラフの「ツールバー」が表示されます。 (「グラフエリア」の選択には、グラフツールバーの左端の▼をクリックして「グラフエリア」で選択できます。)
  7. ここで気になることは、グラフに比べて文字や凡例の大きいことです。そこで、フォントの設定を行います。「グラフツールバー」の2番目の「○○の書式設定」をクリックして、「フォント」タブをクリック 「サイズ」を8か9位に設定、併せて下段の「自動サイズの調整」のチェックをはずして置きます。これはフラフを拡大した時に同時に文字が拡大されるのを防ぐためです。(「○○の書式設定」としたのは、左隣窓で表示された項目に就いての「書式設定」ですので)
  8. 以上の操作を終え「ハンドル」をドラッグして適当に拡大したのが第1図です。

「マーカー」を比較的明るい色に替え、「数値軸ラベル」に単位を記入し横書き表示に直し、一部サンプル的に文字装飾をほどこしたのが第2図です。
龍ヶ崎 地方税の例のように、元の表示が「値」のみであったものが「項目名」と「%」を書き足しました。
本来表とグラフは連動していて、「表」の値を替えると「グラフ」に反映されるのですが、「値」をいじると、その部分は連動されなくなります。
下段の「いいいい」は最終的に使い道がなかったら削除します。

第2図


使用するグラフ その3

「100%積み上げ棒フラフ」

「100%積み上げ棒フラフ」は名前のとおり総量を100%とした上で、各項目毎の構成比率比較し、同時に他項目との構成比率の変化を表す場合に利用します。

100%積み上げ棒フラフの例(一寸背景を付けてみました。) (単位:百万円)

下図は「100%積み上げ棒フラフ」の横棒の例です。(単位:百万円)

上の図よりも。比較が分かり易くなったと思うのは私ばかりでしょうか?。
 (実は「100%積み上げ棒フラフ」の場合は「横棒」使用が一般的だそうです。)
注意する点は、表で示す。カラーの幅は一つの自治体内でのウエイトの相異であって、他の自治体との比較には「数値」に頼ることになります。

使用するグラフ その4

折れ線グラフ

数値を線で結ぶことで連続的な値の変化が分るグラフです。
項目軸には、年月等時間の経過を表す項目を配置することが多く、時間の経過に伴うデータの推移を表すには「折れ線グラフ」が最適です。

人口の移動状況をを「折れ線グラフ」表示(元資料参照)

データとそのグラフ

このフラフで分ること


使用するグラフ その5

積上げ棒グラフ(横棒)

各項目の総量を比較し、同時に構成比率を表す場合に使用します。
複数の系列のデータは夫々の色が異なり、それらを積み上げることにより棒の高さは合計額を表すことになります。

集合棒グラフとの相異は次のとおりです。
(1)集合棒グラフは個々の要素に対して色分けした棒を表示するため、棒数が多くなる。合計 額が読み取れない。
(合計額を入れることもできますが、他の要素を圧迫し、下辺に追いやってしまうので適切ではありません。また、第2数値軸を使用する方法もあることにはありますが)

(2)対して、積み上げ棒グラフの場合は、項目毎に1本の棒で表現し、要素はその中に色分けして盛り込まれます。要素毎の比較も容易であり、合計額の比較に最も適しています。

積み上げ棒グラフ(横棒)で「6市町村地勢概況」を表示してみました。
 原典県地方課 「茨城県市町村概況」より。しかし、現在はホームページが改変されていて見当たらないようです。(抜粋資料参照)

牛久市と守谷市の評判が良いようです。その魅力と今後の発展性が分らないものか、グラフにしてみました。(守谷市は筑波エキスプレス敷設の利あり)
また、利根町は取手に付くか、龍ヶ崎が良いのかの目安となる手がかりが掴めないか?に就いてですが読者の判断にお任せします。



使用するグラフ その6

当町「予算の推移」を見るためグラフを作成してみました。(単位:千円)

歳入

データは「とね広報」より。

【グラフの操作:棒の幅の調整は、グラフツールバーで行います。
最左端の[グラフオブジェクト窓▼ボタン]をクリック⇒[データ系列]の何れかを選択⇒右隣の[データ系列の書式設定]アイコンをクリック⇒出てきた[ダイアログボックス]の[オプション]タブをクリック⇒[棒の間隔欄]で設定します。(間隔幅が狭いほど棒は広がります。)】

歳出


【グラフ操作:[値の記入]で、少量の値は折り重なって記入される為、一つ一つ拾い出しては色付けし、ドラッグで分散させました。】

使用するグラフ その7

6市町村の年齢構成

  ご参考まで




ここに、「市町村普通交付税」支給の算出基準となる「格付け」があります。
財政力指数(収入/需要)1以上が正常  (地方交付税交付金の基準にもなっているのか?)
市町村         H13年度 H14年度
龍ヶ崎市財政力指数   0.724  0.739
取手市         0.861  0.879
牛久市         0.838  0.860
守谷市         0.860  0.875
藤代町         0.567  0.588
利根町         0.450  0.458
(ちなみに、H13年度1.0以上は県内では[東海村1.388]と[神栖町の1.638]の2箇所のみ)



使用するグラフ その8

6市町村の人件費と公債費の比較(平成12年度)

歳出予算の中で「福祉」「環境整備」が気になるところですが、見逃せないものに「人件費」と「公債費」の問題があります。そこで「予算に占める人件費の割合」と「同公債費返済金の割合」の表を作ってみました。グラフは「複合グラフ」を使いました。

「複合グラフ」とは
異なる種類のグラフを組み合せて作成したグラフのことです。

ほかの系列より値が著しく異なる系列(例えば合計欄とかパーセントなどの異種のデータ)を扱うには一つの数値軸での表現は困難です。
値の小さい要素や%表示などはグラフの底辺に押しやられてしまいます。
そのような場合左側の「第1集数値軸」の目盛りで「棒グラフ」の数量を表し、右側に「第2の数値軸」を設けて「折れ線グラフ」の数量を表示するといった手法を用いて表現するのです。

【グラフの操作:】

第1番目に、グラフで表現したい「異種のデータ」を含めたグラフを作成する。
例えば、従来合計欄は除いてゲラフを作成していましたが、今回は表で、適用範囲を合計欄までドラッグしてで広げます。
その状態で一応グラフを完成させます。
>第2数値軸を追加する
グラフツールバーの「グラフオブジェクト」ウインドウで「系列;合計」を選択します。
同じくツールバーで「データ系列の書式設定」をクリックします。ダイアログが表示されます。 (合計系列の何れかの棒を「ダブルクリック」しても同じ結果が得られます。)
ダイアログの「軸タブ」「第2軸(上/右側)」をクリックして「OK」です。
(第2数値軸が追加されました。)
系列:合計の棒の何れかをクリック「合計系列全体」が選択されたのを確認して、グラフツールバーの「グラフの種類」から「折れ線グラフ」を選択すれば完成です。
(数値軸の値も自動的に修正されます。また、グラフの位置等の関係でユーザーが適宜設定できます。)


人口とコストが同じ単位で処理できるので、人口を「面グラフ」で。コストを「折れ線グラフ」で作りました。

このグラフで分ること。
赤い点線は人件費を住民一人当たりに換算した場合のコストです。
ピンク色の線は公債費返済額を住民一人当たりに換算した場合のコストです。利根町はどちらも高水準にあることが分ります。
上記コストは住民の税金から丸々支払われているわけではありません。地方交付税交付金や国県支出金 等(利根町にあっては、歳入予算の約半額:トップの円グラフ参照)補助金を含めて賄われている訳ですが、コストは安いに越したことはありません。


利根町は龍ヶ崎市との合併を想定して動いています。「相手方はどう考えているのだろう」について 「第5回龍ケ崎市市町村合併検討懇談会(平成15年11月12日)」をどうぞ。


使用するグラフ その9

ドーナッツグラフ

データを構成する要素を大分類と小分類の2つに分ける場合、夫々の分類比率を2つの円グラフを重ねた「ドーナッツ」型で表現するものです。
円グラフと似ていますが、このグラフでは複数項目を表すことが異なっています。



この表で分ること
1)公債費、扶助費は4自治体とも同様です。
2)牛久市、龍ヶ崎市のように「人件費」と「その他、諸々」のパーセンテージの低い所は、その分投資的経費に予算が注ぎ込まれているのが分ります。

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