グラフのいろいろ その2

自治体のバランスシート比較

市町村合併問題が取り沙汰されていますので、近隣自治体の財政の特徴を比較しています。
その2では「バランスシート」を取り上げてみました。

「バランスシート」とは

ある一定時点において資金がどのように集められ、どのように使われているかを示す表で「貸借対照表」のことです。
バランスシートの左側(借方)は、資産の部として、市や町がどのような資産に資金を投入しているか、資産の運用状況を示しています。右側(貸方)には、資金をどのように集めたか、資金の調達状況を示します。
これには、地方債など借り入れたものや、将来の支出を義務付けられている職員の退職給与引当金を負債として、また国・県補助金や税金などの自己資本を正味資産として表しています。

「グラフ」で見る2市町の比較

資料は取手市ホームページ「取手市の家計簿」及び「とね広報」より

資産の部

【有形固定資産】: 公共施設などの取得にかかった土地や建物。機械設備といった具体的な形態をもち、長期間使用・利用され減価償却(年々資産価値が下がる分を差し引く計算。ただし、土地は減価償却しない)によって費用化する固定資産である。

以下「グラフで見る2市町の比較」の金額の単位は「千円」です。


【投資等】:市町村の関係する団体などへの出資金や特定の目的などのために運用している基金の額を計上したもの


【流動資産】:市町村の預金や決算時に歳入歳出を差し引いたときの残りの現金、および年度末における税収を計上したものである。


負債の部

【固定負債】:未払い・返済期限の到来が、バランスシート作成日翌日から1年を超える債務。長期借入金、市町町債のほかに、翌年度の退職給与引当金(推計額)などが計上される。
【流動負債】:翌年度に返済する予定の市の借金の元金分のみ計上したもの。



【正味資産】:企業の資本金にあたるもの。資産を取得するために使った税金や、国・県から入った補助金などを有形固定資産と同じように減価償却(年々資産価値が下がる分を差し引く計算)を行って計上したもの


取手市と龍ヶ崎市のH13年度決算 歳入のグラフを作ってみました。
資料は両市ホームページからです。特に取手市の場合財政情報が細目に至っていましたので、適宜編入措置を講じました。正確には下表です。


同じデータを「ドーナッツ グラフ」で表現しました。この方が比較し易いようです。

2市に利根町を加えました。
「その他交付金」の金額は「交付金細目を纏めるなど」適宜措置してあります。

利根町・龍ヶ崎市の「H 13年度 歳出」の比較ですが、同年度について、「同じような形式で書かれたデータ」がなかなか見当たりません(最近では県のデータも物足りなさを感じます。)ので「決算書」と「予算書」の比較になってしまいました。
この「グラフシリーズ」でも「比較するデータ」がバラバラなのは、そのためで、あくまで傾向を示しているものと判断してください。 どうして、各自治体は「統一したデータ」を出さないのか?と考えましたが、行き着く所はデータ整理の予算にあるらしい。その点市制である「取手市」の行財政のデータは行き届いている感を深くしました。
下図外側が利根町、内側が龍ヶ崎市です。

行政コストを各自治体では発表しています。 [行政に要した費用] ÷「現在人口] です。
発表方法がまちまちなので一部計算を施しました。不正確なところが有った場合はお許しください。
なお、龍ヶ崎市 77,472人はH13.5.1 現在人口(茨城新聞)によるものです。


「利根町の1人当たりの資産(コストとは又異なった意味)」は利根町バランスシートH15.3.31現在をご覧ください。


感想
以上いろいろとグラフを使って財政の比較を試みてきました。市町村公表のデータからの表ですが、本当の財政事情を表現できたかどうか疑問です。
また、取手市が良い、いや、龍ヶ崎市が良いの判断の材料を目指してはきたのですが、作っているうちに「いくら合併特例法の持参金付きのお嫁入り」でも、大威張りで「相手を選べる立場かどうか」について、残念ながら表で見えてきたことは(産業の材料が不足しています)最大限の自助努力をしない限り我が町の優位性は乏しいのです。河内町町長が言ったとか言わないとか?「龍ヶ崎市に助けて貰わないとか!」が他山の石でないような気がしてなりません。

最後に市発表のデータを添えます。(両市の市税1人当たり格差はなんでしょうか? ただし、取手市の場合は「個人市民税」になっています。法人税が多いということでしょうか。)
龍ヶ崎市の場合

取手市の場合

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