主な内容
1.日付け、時刻の表記法
2.引数が1個の、[日付]、[時刻]の関数
3.引数が無い関数
4.小数点付近の数値を、取り扱う関数
5.数値を文字列に変える1 : (数値の表現)-(数を表す文字列として表現)-(引き続き数値として使用できるような文字列表現)
6.数値を文字列に変える2 : (TEXT 関数を使います。)
関数とは予め定義された数式のことで、計算に必要な[引数]と呼ばれる特定の値を使い、
定められた関数の書式[=関数名(引数1,引数2,,,,)]に従って入力するだけで、計算結果を求めることができる仕組みになっています。
関数を使用すると、単純な計算だけでなく複雑な計算も行うことができます。
というと、非常に堅苦しいのですが、
Excelの関数の本来の目的は、複雑な処理を簡単にできるように、予めプログラムで組み込まれている仕掛けと考えることができます。
ですから、易しい関数から1つづつ消化して行けば誰もが理解できるので、気軽に挑戦してみましょう。
とはいうものの、入門者にとって、ハードルが2〜3存在します。
エクセルのワークシート関数(予め組み込まれている関数)が、Excel-2000で245個用意されています。(別途インストールを必要とする、アドイン関数を含めると338個)適材適所に、どの関数を使用して良いのか迷うところです。 1つ1つ地道に克服することが肝要です。2〜30消化すれば、あとは、理解が容易になり、その都度応用すれば良いことになる筈です。
関数の書式は、[ =関数名(引数1,引数2,・,・,・) ] で表され、引数の無いもの(無くても[ =関数名() ]と表示する )から 30個有るものも存在します。厄介なことに、使用する関数によって、入力する引数のタイプ(◇引数のタイプ一覧表◇参照)が変わることです。しかし、正当な入力方法→「数式パレット」を使用すると 注釈や指示があり、また、WinXPの場合は「この関数のヘルプ」で具体的説明もあります。これも関数の2〜30個を消化すれば、 [引数]の何たるかは理解できるようになります。
引数のタイプ:、論理値、数値、文字、セル参照、エラー値、配列、他などが有ります。
ということで、「関数の勉強1,2」では、「引数を主眼」にして学びます。」
WindowsXP、Word 2003、Excel 2003 から、日付、時刻の表示の基本を考えてみます。
第1図は、Word 2003 を開いて、
1.[2005]と入力した場合、ポップアップメニューで「2005年8月3日」と表示しますか?の問いに、OKなら[Enter]キーです。
2.[2005]と入力した場合、下図」のポップアップメニューが表示され、[Enter]キーで「2005/08/03」と表示されました。
第1図(Word-2003) (右側の図はExcel-2003の場合) 第2図 (平成17年8月3日と入力しても数式バーは[2005/8/3]です)
第3図(Excel-2003でショートカット・キーで、日付、時刻を表示)
第4図(セルの書式設定で、標準を選択すると、
第5図の[C4]、[C5]のシリアル値になります。
第5図([C4]、[C5]のシリアル値については、こちらを参照ください。)
上の事柄から、Windowsでの、日付、時刻の表示は下記のとおりであることがわかります。
西暦何年,何月,何日
例えば、 2005 / 8 / 3
何時,何分,何秒
17 : 52 ; 00 (17: 52; 00 の「 時、分、秒」の表示は第3図の数式バーから)
また、上記の説明を待たずとも、タスクトレイの時計の表示、および、「日付けと時刻のプロパテイ」を見れば、一目瞭然です。
日付、時刻の表記法が分かったところで、これらを、関数を使って個別に取り出すことができるのです。
上記操作手順の「4」関数名(N)一覧から[MONTH]を選択します。その他は全く同じです。
上記操作手順の「4」関数名(N)一覧から[DAY]を選択します。その他は全く同じです。
上記操作手順の「4」関数名(N)一覧から[HOUR]を選択します。その他は全く同じです。
上記操作手順の「4」関数名(N)一覧から[MINUTE]を選択します。その他は全く同じです。
上記操作手順の「4」関数名(N)一覧から[SECOND]を選択します。その他は全く同じです。
上図で、時、分、秒の表示が「8:16」になっていますが、3つ共「秒」が埋め込まれています。[A7]をクリックした状態の時、数式バーには、「59(秒)」と表示されています。
上は「今日は”いくにち”です。」を求めました。引数はありません。
すると今度は今は”なんどき”かが有ってもよいことになります。有るとしたら、多分引数はないと思います。
思ったとおり、引数はありませんでした。[TODAY] 関数と違って「日付と時刻」を同時に表示します。任意のセルを選択して、[N0W] 関数を開いただけで、[2005/8/4 21:01]と表示されました。
そのセルを選択して、セルの書式設定[表示形式]タブの「標準」をクリックしたところ、[38568.87617]のシリアル値に変換されました。パソコンの内部時計が
時々刻々とシリアル値を刻んでいるのです。
下図入力関数で、[TODAY] 関数を使わず、[N0W] 関数だけでもできますが。(8/10追記)
段々、興味が湧いてきました。円周率の「π」は「引数」が無さそうです。数式バーの[fx]ボタンを押して現れる「関数の挿入」
ダイアログの関数の検索(S)欄に「円周率」と記入し、検索開始ボタンを押すと選択状態で[PI]とでました。
なお、注釈で
PI()
円周率Π (3.14159・・・・・・)を返します。となっていまして、[PI()]は、書式を意味し、引数の無いことが分かりました。
[OK]→[0K]ボタンで、セルに回答が表示されました。
ちなみに、同様の手段で「平方根」を検索したところ、「 SQRT(数値) で、数値の正の平方根を返します。」となっていました。
[数学/三角]関連の関数の70〜80%位は、引数1個で、引数のタイプは「 (数値) 」になっています。その中から、一番親しまれている[SUM] 関数を取り上げました。何と言っても数ある関数のなかで、 唯一、ツールバーに[Σ]のアイコンが存在するのですから。ただし、引数1個でしかも、範囲指定で使用することが多いのですが、 引数が30個まで使用できるのです。
Excel-2003の場合[Σ]のアイコンの右の小さな▼ボタンをクリックすると、よく使われる関数の[平均],[データの個数],[最大値],[最小値]が即使えるようになっています。 更に[その他の機能]があって、これを押すと、数式バーの[fx]関数挿入ボタンをクリックしたのと同様に、関数の挿入ダイアログが現れます。
連続した[セル範囲]を指定するだけなら、[Σ]のオートSUMボタンで合計をだしますが、 複数の[セル範囲]の指定、飛び地のセル(値)を合計に入れたい場合には、数式パレットを使用した方が分かり易いので、正攻法での説明にいたします。
Excelの「書式設定ツールバー」には、数値に、[\]を付けたり、千単位で[,]で区切ったり、 小数点以下何位で表示[.***]したりする機能がボタン化されています。並び順から挙げると下記になります。
単なる数値を、上のような表示に変えても[数値]として計算に使用できます。
(上記ボタンで設定した書式の解除は「ボタン」からはできません。[セルの書式設定],[表示形式]ダイアログで、[標準]を選択
して、解除します。)
下記()内は「 =関数名(引数1,引数2) 」です。
数値は、対象となる数値です。
桁数の指定に、「正の数」、「0(ゼロ)で指定」、「負の数で指定」の3つの方法があります。
(1)正の数で指定すると、小数点以下で指定数の桁数になるよう4捨5入されます。
(2)0(ゼロ)で指定すると、整数表示になるよう小数点以下を4捨5入します
(3)負の数で指定すると、整数部で指定数の桁数部を丸めるよう4捨5入されます。
例えば、[ROUND] 関数の場合、[155]の数値に、桁数[-2]を指定すると、百位で変換が行われ[200]と返されます。
[ROUNDUP] 関数の場合、[155]の数値に、桁数[-2]を指定すると、[200]と返されます。
また、[ROUNDDOWN] 関数の場合、[155」の数値に、桁数[-2]を指定すると、[100]と返されます。
ちなみに、十位で変換する場合は、桁数[-1]の指定になります。
ここでは、引数を中心に記述しています。詳しくはいろいろな関数4を参照ください。
範囲を指定してツールバーのボタンで処理するか、
[書式(O)]メニュー→[セル(E)]→[表示形式]タブから、[通貨]を選択。[パーセンテージ]を選択。[数値]を選択して、
「桁区切り(,)を使用する(U)」にチエックをいれる。などの方法があります。
また、「小数点以下の桁数」の設定もここでできます。
よろしかったら、下表をコピーし、EXCELの[A1]セルに貼り付けて、ご使用ください。
年月日関係 | 年 ↓ | 月 ↓ | 日 ↓ | ||
セル参照用 | 2005 | 8 | 1 | ||
年月日関係 | 元号表示 | シリアル値 | 月日表示 | シリアル値 | |
セル参照↓ | [A6]と同じ ↓ | [A6]と同じ↓ | |||
2005/8/1 | 平成17年8月1日 | 38565 | 8月1日 | 38565 | |
曜日関係 | セル参照↓ | [B9]と同じ↓ | WEEKDAY関数 | 曜日表示 | 左の標準値 |
2005/8/1 | 2005/8/1 | 2 | 月 | 2 | |
下記空色は全て元の値 | |||||
数値関係 | B:数列↓ | C:数列↓ | D:数列↓ | E:数列↓ | F:数列↓ |
元の数値 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
通貨$表示 | $12,345.00 | $12,345.68 | $1,234.57 | $0.01 | -$100.12 |
上の数値 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
桁区切り( , ) | 12,345 | 12,346 | 1,235 | 0 | -100 |
上の数値 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
%表示 | 1234500% | 1234568% | 123457% | 1% | -10012% |
上の数値 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
小数点以下2桁 | 12345.00 | 12345.68 | 1234.57 | 0.01 | -100.12 |
上の数値 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
小数点以下4桁 | 12345.0000 | 12345.6780 | 1234.5678 | 0.0123 | -100.1230 |
ROUND関数 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
桁数2の場合 | 12345 | 12345.68 | 1234.57 | 0.01 | -100.12 |
ROUNDUP関数 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
桁数1の場合 | 12345 | 12345.7 | 1234.6 | 0.1 | -100.2 |
ROUNDDOWN関数 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
桁数1の場合 | 12345 | 12345.6 | 1234.5 | 0 | -100.1 |
TRUNC関数 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
桁数指定せずの場合 | 12345 | 12345 | 1234 | 0 | -100 |
INT関数 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
引数は[数値]のみ | 12345 | 12345 | 1234 | 0 | -101 |
元の数値 | 12345 | 12345.678 | 1234.5678 | 0.012345 | -100.123 |
数値:-1234適用 | 12345 | 12346 | 1235 | 0 | -100 |
数式バーの[fx]関数挿入ボタンをクリックすると、関数の挿入ダイアログが現れます。
第1の図
説明
また、「&」は、離れ離れの「セル」の[文字列]や[数値]を連結して表示するときにも使われます。
たとえば、ページ下段の[F40]の合計数値を、上段の[B2]の「請求金額」右隣の[C2]に使う場合、「 ="金"&F40&"円也" 」といった使い方です。
第2の図
第1の図「 =A2&"さんの売上は"&TEXT(B2,"\#,##0")&"分" 」
第2の図「 =A3&"さんの売上は総売上高の"&TEXT(B3,"0%") 」
の両者の比較で、「"0%"」に「&」が付かないのは、TEXT関数の[表示形式]だからです。
また、「"0%"」の[0]は、「B3」の数値を呼び込むための[0]です。[0]が無いとただの「%」表示になります。「B3」の「40%」の % は見かけ上の % で数値は[0.4]ですので、%の重複にはなりません。
仕上がりは[A6]になります。
第3の図
[書式(O)]メニュー→[セル(E)]→[表示形式]タブ→[分類(C)]欄→[ユーザー定義]を
クリックして現れる[種類(T)]欄にリストアップされた、特定の書式や記号を「書式記号」と言います。
この中から適したものを使用するとか、または編集して、目的の表示ができるようにして、
実行する段階では「表示形式」となります。TEXT 関数の[表示形式]で使用する場合は、[""]のダブルクォーテイションで囲んで使用します。
ただし、「書式記号」は基本パターンの表示ですので、一番似通ったものを選択し、[種類(T)]のテキストボックスでユーザーが、[#]や[0]または[?]などを
適宜、追加、削除して、[種類(T)]の上の「サンプル窓」の表示を見ながら、桁数表示を図ったりします。テキストボックスに直記入で作っても構いません。
[数値]は元の数値データのままで、計算に使用できます。表示が変わっているに過ぎません。
これに対して、TEXT関数の[引数2]の[表示形式]として、使用した場合は、文字列データになり、計算はできなくなります。
日付・時刻に関する書式記号は、こちらをご覧ください。
その他に関する書式記号は、こちらをご覧ください。