光学ズームとデジタルズーム


光学ズームとデジタルズームを考える

光学とデジタルの優劣は、はっきりしていて、論ずること自体がナンセンスです。デジタルズームは、画質が落ちる、色調が悪いとして、 大抵の人は使わないと思います。私もデジカメ購入以来数年間デジタルズーム設定を封印して使いませんでした。
ところがです。どの望遠デジカメを見ても、光学何倍、デジタル何倍とわざわざ、デジタル機能を載せています。よほど困った時の窮余の一策 (例えば、もっと近くに行きたいが何らかの関係で近寄りがたい場合とか。)として、使う場合があるかも知れないからです。

私の場合、野鳥撮影に使用していますが、カワセミを半日がかりで、3〜4日で150枚程撮りましたが、 下手なせいもあって全部失敗してしまいました。 (失敗作も掲載しておきました)大きなアオサギには自動焦点が合うのですが小さいものになると、 はるか、遠方のバックに焦点がずらされて上手く撮れません。 という訳で、副題では、敢えて比較でなく考えるにしました。
光学ズームとデジタルズームのどこがどう違うのかは下記を参照してください。


出典: ASCII.jpデジタル用語辞典より

【デジタルズーム】 digital zoom
CCD(電荷結合素子)の中心部分の画像データだけを取り出してソフトウェア処理で視野角を調整するズームのこと。 単純に周囲の画像データを切り捨て、中心部分を拡大しているにすぎないため、 光学ズームに比べ解像度が低く、画像が粗くなる欠点がある。
(管理者:レンズ自体は動かさないので、実際に写る大きさは変わりません。中心部分の画像データだけを取り出してソフトウェア処理で補完拡大するので 画像が粗くなる。)
【光学ズーム】 optical zoom
レンズの屈折率を使って、視野角を調整するズームのこと。一般的にズームといえば、光学ズームを指す。
(管理者:レンズを動かして、焦点距離を変化させ、光学的に拡大して写すので、画質が劣化はありません。)
【デジタルカメラ】 digital camera
撮影した写真をデジタルデータとして記録するカメラ。デジタルスチルカメラ、デジカメとも呼ばれる。 レンズを通過した光を電気信号に変換するのにCCD
【変換】 conversion, translation
ある情報を異なる形式に変える処理。扱う対象に応じて、さまざまな形で実現されている。 たとえば、アナログデータとデジタルデータとの間の変換、ある形式から他の形式への変換、 日本語入力における、かなから漢字への変換などがある。 また、ある言語で記述されたソースコードを他の言語で記述されたソースコードに移植する意味で使われることもある。
しーしーでぃー 【CCD】 Charge Coupled Device
電荷結合素子。デジタルカメラやビデオの撮像素子は、光を電気に変換するフォトトランジスタと、 その電荷を受け、蓄積して転送するCCDから構成される。 転じて、電荷の転送にCCDを採用する撮像素子のことをCCDと呼ぶことが多い。


ここで、私の手持ちデジカメの紹介をいたします。(「デジタルスコープ」か「デジボーグ101ED」が買えれば良いが、資金難ですので。)

  1. 2001年10月発売―ソニー製サイバーショットDSC-F707(光学5倍、デジタル10倍ズーム―プレシジョンデジタルズーム方式)とワイドコンバージョンレンズ。
  2. 2005年6月発売 ―ソニー製サイバーショットDSC-H1 (光学12倍、デジタル24倍ズーム―プレシジョンデジタルズーム方式)とテレコンバージョンレンズ。
  3. 「1.7倍のテレコンバージョンレンズ」(今年11月29日購入)以外は、いずれも中古品での購入です。野草の写真は全て【F値2.0レンズのDSC-F707】で、最近11月までの野鳥撮影は、【光学ズーム12倍のDSC-H1】です。
    これからは、【光学ズーム12倍のDSC-H1】に、「1.7倍のテレコンバージョンレンズ」を付けて、光学20倍ズームでの野鳥撮影になります。

光学ズーム12倍でも、カワセミ撮影の失敗例1(距離が遠過ぎた)

右の写真は左の写真の拡大写真です。(ピントは、やや合っているようです。)
カワセミの写真   カワセミの写真  


光学ズーム20倍でも、カワセミのくつろぎ撮影の失敗例―良く撮れていれば傑作なのに(バックの葦のためピンぼけ)

カワセミの写真   カワセミの写真   カワセミの写真   カワセミの写真  



失敗作が続きましたので、そこで、オートフォーカスが比較的シャープと思えるデジタル ズームに就いて考えて見ることになったのです。

被写体:アオサギの例

左側:光学ズーム12倍(標準装備)で撮影  中央:光学ズーム20倍で撮影(テレコン使用)  右側:デジタル ズーム40倍で撮影(テレコン使用)

アオサギの写真   アオサギの写真   アオサギの写真



光学ズーム 20倍撮影例とデジタル ズーム40倍撮影例

被写体:アオサギの例


被写体までの距離:15〜6m位―光学ズーム 20倍で撮影―下図で、左上:原画像(2592×19442px-2.26Mb)  右上:顔部分

アオサギ原画像   アオサギの顔部分
アオサギ全身



被写体:アオサギの例

デジタルズーム 40倍で撮影―下図で、左上:原画像(2592×19442px-2.06Mb) 右上:顔部分(後ピンの様だが焦点深度は深そう)

アオサギ原画像   アオサギの顔部分
アオサギ全身



再度、デジタルズーム40倍についての2例

被写体までの距離:30mと20m位―デジタルズーム40倍で撮影

カワセミ原画像―30m(2592×1944px 2.30Mb) セキレイ原画像―20m(2592×1944px 2.15Mb) 参考:光学20倍の原画像    

カワセミ原画像 セキレイ原画像 光学20倍の原画像



カワセミ:後ピンなので拡大は無理 セキレイ:幅525pxに仕上がり。毛並み、羽色もどうにか表現

カワセミの写真     セキレイの写真



スマート ズーム48倍とデジタルズーム40倍

この辺で結論をと考えていたところ、【DSC-H1】機能に【スマート ズーム48倍】が有ることを知りました。 (「1.7倍のテレコンバージョンレンズ」は、不用です。)

設定や操作が非常に簡単で、早速テストしました。サイズはVGAサイズの「640×480px」限定ですが、ピントはオートフォーカスがバッチリ決まり、 (下図参照)カラー物を撮った時の色調問題と、障害物の中の野鳥にどうピントを合わせるかです。

スマート ズームサンプル―被写体までの距離5m。1回のオートフォーカスで、このピントです。 サイズは限定された「640×480px」で、フアイル サイズは「67.7Kb」です。
スマート ズームサンプル

デジタルズーム40倍のサンプル―被写体までの距離5m。。このピントを得るのに、マニュアルフォーカスで数枚を要しました。
サイズは、5Mb設定の「2592×1944px」、ファイルサイズ「1.20Mb」の一部抽出。
デジタルズーム サンプル

スマート ズーム48倍で、いろいろ試す。

【DSC-H1】機に、VGA画像―フアイル サイズ「640×480px」の【スマート ズーム48倍】を設定。

セキレイの居た所の鉄柵(柵間の1.5倍がセキレイの体長です。)   ↓ 250〜300m遠方の建物
鉄柵の写真 300m遠方の建物    
デジタル ズーム(レンズを動かさないで、映った画像の中央部部分をトレミングして補完処理して拡大)48倍ともなると、流石に画像が荒れて来ます。


ここで、一言
今までスマート ズームの最高倍率の48倍で話を進めてきましたが、実は24倍と12倍があります。

  1. VGA画像―フアイル サイズ「640×480px」の【スマート ズーム48倍】
  2. 1M 画像―フアイル サイズ「1280×960px」の【スマート ズーム24倍】
  3. 3M 画像―フアイル サイズ「2048×1536px」の【スマート ズーム12倍】


スマート ズーム12倍で、いろいろ試す。

下図の左端は、スマート ズーム24倍例です。右の2つの野鳥ムクドリは、スマート ズーム12倍の3Mサイズ「2048×1536px」で、フアイル容量は、1〜1.5Mbです。
右端の建物も、スマート ズーム12倍の3Mサイズ「2048×1536px」です。 いずれも、オートフォーカス撮影で、建物以外はリサイズはせず、トリミングのみです。ピントの焦点深度が深そうなので、野鳥撮影に利用できそうです。色調もまあまあの映りと思います。

              
被写体までの距離:約20m約50m約45m250〜300m 



被写体:道路標識の例

被写体までの距離:50m位

1図は光学ズーム20倍で撮影2図はスマート ズーム12倍で撮影2図はスマート ズーム24倍で撮影4図はデジタル ズーム40倍で撮影

光学ズーム標識の写真    スマートズーム12倍標識の写真    スマートズーム24倍標識の写真   



スマート ズーム12倍の3Mサイズ「2048×1536px」作例【アオサギの毛繕い】)距離:25m

アオサギの毛繕い  アオサギの毛繕い  アオサギの毛繕い  アオサギの毛繕い  アオサギの毛繕い
アオサギの毛繕い   アオサギの毛繕い   アオサギの毛繕い   アオサギの毛繕い   アオサギの毛繕い

手前の雑枝を避けて、対象物を写す

ツバキの花を狙いました。マニュアル フォーカスです。
ツバキの花



遠方を写す(スマートズーム12倍と光学ズーム12倍の比較)スマートズームにそれほどの遜色は見出せません。

スマートズーム12倍、「2048×1536px」からトレミング 距離:左から約55m、 約55m、 約50m
ムクドリ     ムクドリ55m     ムクドリ50m    

光学ズーム12倍、「2592×1944px」からトレミング 距離:60m弱
ムクドリ



上の上と同じ設定(【DSC-H1】機に【スマート ズーム48倍】)で近距離の普通撮影。但し、フアイル サイズ「640×480px」。

被写体までの距離5m―普通撮影



左:マニュアル フォーカスで撮影の雑枝の中の椿の原画 右:トレミング図
椿の原画   トレミングした椿

トップへ戻る   総目次へ戻る  。 野鳥関係目次へ戻る

inserted by FC2 system