ワードの鬼門―インデントとタブ

発端:或るワードの教室で、○○テキストからの出題で「タブを[○○.なにがし]に設定して」 というのが有りました。皆さん懸命に[Alt]キーを押して、ルーラー スケールの数値を合わせ ようとしても飛び飛びに動き、それも不規則です。[ .]コンマ以下1桁2桁の数値合わせは容易ではありません。
以前書物で見た「ワードの鬼門、インデントとタブ」の言葉その通りで、ストレスがたまります。
何とか、分かり易く説明する方法はないものかと模索しましたところ、文字単位でグリッド線を引いたら と考えました。結論的には、操作が楽になるばかりでなく、明示的に説明が出来、「プロポーショナル フォント」や「均等割り付け」その他の説明にも使えそうです。勿論慣れてしまえば、「文字単位でグリ ッド線」表示の必要もなくなります。マイクロソフトの書状テンプレートを数点ダウンロードしましたが、 そのような設定はありませんでした。

ワードを学ぶに当たっての段落という概念

下記文章は矢野啓介氏の「HTMLにおける段落をめぐって」から
同氏はホームページのHTML記述の権威です。
全く同様に、ワードにも通じる概念なので引用させて頂きました。

上記3行は、1行1段落です。
3行一括コピーしてワードに貼り付け、3行選択状態で
[Ctrl+Space] キーで「文字書式の解除」を行ってください。 「フォント サイズ」が[13.5pt]から標準の[10.5pt]に、「文字色」が[青色]から標準の[黒色]になります。 これは、文字列にくっついた書式設定がされていて、それを解除するために[Ctrl+Space] キーを使ったのです。
なお、段落にくっつく、インデントやタブの書式設定は[Ctrl+Q] キーで「段落書式 の解除」が行えます。
(3行とも段落に対するインデントとタブ設定のテストにご使用ください。)

余談ですが、私は語呂合わせでショウトカット キーを覚えるようにしています。2〜3例を挙げて見ます。
[コン(Ctrl)スペ(Space)、コンきゅう(Q)書式の解除]
[Shift、Enter強制改行]        で、ワードで新しい段落を作りません。
   似たものをもう一つ
[コントル(Ctrl)Enterセル不動確定]  エクセルでEnterキーを押してもカーソルがそのセル に留まっています。
関数操作の時大変重宝しています。(数式を狂わせないためです)
この、[Ctrl+Q] と [Ctrl+Space]は、非常に便利なショウトカット キーで、設定さ れた「インデントとタブ」のマーカーを一瞬の内に 解除して呉れます。タブ マーカーを1つ1つ欄外につまみ出す作業は不用になります。

また、下記「段落 = paragraph」で始まる文章は一つの段落を形成しています。(コピーしてワードに 貼り付けてみてください。段落記号が〜〜〜の後に1個だけしかありません。この段落こそが「本当の 段落のスタイル」と言うことができると思います。
何となれば、私がインターネットで、「インデントとタブ」の練習用にと期待してダウンロードした、 サンプル フアイルは何のことはない「段落記号」や「強制改行 ↓」マークの全く無いノッペラボウの 1個の段落でした。

それのコメントです。「インデントマーカーは小さいので、特にマウス操作に慣れていない方にとっては、 難易度が高いようです。インデントマーカーを是非使いこなしたいという方は、サンプルファイルを使って 何度かドラッグの練習をおすすめします。」

しかし、わざわざインターネットで練習用として掲載するには、大きな意義がありそうです。それが確かに ありました。普段、A4版1枚ぐらいのワープロでは、段落意識の重要性を認識することは、先ず無いと思 います。スペースの字下げや箇条書きの継承は、段落書式の継承なのですが、「ワードの余計なお節介」と して片付けられています。しかし、数枚、数十枚の原稿を書く場合、「インデントとタブ」は非常に威力を 発揮して、書体を整いて呉れます。
「インデントとタブ」を意識的に使う場合は、もう「ワードの余計なお節介」ではなくなってきます。
下記文章もノッペラボウの1個の段落です。コピーしてあれこれとテストし、更に、上記3段落をも併用し てトライしてみてください。参考書等で書き漏らしている、操作法について新しい発見や自分流スタイルが できるかも知れません。
更に「[Ctrl+Q]、[Ctrl+Space]及び[Shift+Enter]キー」を使用することで、ワードでは、「段落という 概念が重要だ」と言われていることが納得できると思います。

ホームページのHTML記述でも、段落を代表する[p]タグ及び段落同等タグの概念を理解していないと HTML 4.01やXHTMLの作法に準拠した、手書きのホームページは作れないと思います。 下記が「矢野啓介氏の段落論です。」

段落=paragraph英語の”paragraph”に対応する日本語は「段落」である、 ということにすると何かと都合が良い。ただし、「段落」は”paragraph”の訳語としては必ずしも適当 とは言えず、敢えて「段落」と言わずに「パラグラフ」という言い方がなされることもある。しかしなが ら、paragraphの意味で「段落」という言葉を用いるのは一般の国語辞典にも見ることができ、ほかに適 当な言葉が見当たらないことから、ここでは「段落」を採用する。
段落は、一つ以上の文の集まりであり、一つのまとまった内容を表す単位である。 現在のまともな文章作法の本ではそのように説明されているはずである。 段落の視覚的な表現方法は様々である。日本語の文書では最初の行を1文字下げることで表すことが多い。 欧文でもやはり先頭の行の字下げで表現することが多いが、字下げの量が1文字分とは限らない。 改行しても全く字下げしないこともある (この体裁は、日本の雑誌でも、比較的短めのリード文などに 用いられることがしばしばある)。字下げが無い代わりに、段落間に間隔を空けることで段落を見やすく することもある。また、節の最初の段落についてのみ字下げを行わないというやり方もある。 ウェブブラウザ(意味訳:インターネネット ホ−ムページ)では、段落間に 1行程度の間隔を空け、字下げを行わない表示が多い。〜〜〜

管理者注:上の行の青色字は<br />(強制改行)のことを指して いると思われる。また、今まで述べてきたことは、1行ごとに[Enter]キーを押す習性のある方へ、本来の 段落のありかたを示したもので、「各行末で、むやみにEnterキーを押さない」ことの説明でした。
しかし、1字でも、段落記号(別名改行記号・・私は勝手に改段落記号と呼んでいます。)に挟まれていれば、 それは1つの段落を形成したことになります。


インデントとは ?

文章の体裁を整える機能ー段落群を対象にして、その位置を揃えます。
   例えば、下記のような場合に用いられます。
各段落文章の文頭の行頭を1字分(または、数字分)字下げする。設定は最初の段落でOKです。
箇条書き(記号付きと番号付きがある)の横位置をバランスの取れた位置に移動する。
箇条書きは、段落の部類に属し、1行〜複数行の段落を形成します。
各行末を左側に繰り上げて揃える。

第1図        .

インデントマーカー図

種類には下記が有ります。
  1. 1行目のインデント:ルーラー左端の上段に配置されて居ます。
    段落の1行目の位置を2行目より字下げします。設定は最初の段落だけでOKです。
  2. ぶら下げインデント:ルーラー左端の中段に配置されて居ます。
    段落の2行目以下を揃えて1行目より字下げします。設定は最初の段落だけでOKです。
    箇条書きにも、設定可能です。(第12図参照)
  3. 左インデント   :ルーラー左端の下段に配置されています。
    段落内文字列を左揃えにして位置を決めます。設定は最初の段落だけでOKです。
  4. 右インデント   :ルーラー右端の中段に配置されています。
    段落内の各行の右側を揃えて左側に移動させます。設定は最初の段落
    だけでOKでが、箇条書きや表の後では解消されそうです。(第12図参照)

使用法


タブとは ?

文章の体裁を整える機能ー文字列を対象にして、その位置を揃えます。
   例えば、下記のような場合に用いられます。
複数段落の各行を、複数列に分割整頓します。
箇条書き行内にあっても同様です。
文字数の異なる複数の文字列のセンターを揃えます。
小数点付き数値の、小数点位置を揃えます。
任意文字列の右端を揃えることが出来ます。
種類には下記が有ります。
  1. 左揃えタブ  (L 字型)
  2. 中央揃えタブ (逆さT字型)
  3. 右揃えタブ  (逆 L 字型)
  4. 小数点揃えタブ(逆さT字型に小数点付き)
  5. 縦棒タブ   (|)

注記:各行の左端には[Tab]キーを用いる必要はありません。
   なんとなれば
  1. 段落1行目の行頭文字の設定は、[1行目インデント マーカー]で設定します。
  2. 段落2行目の行頭文字の設定は、[ぶら下げインデント マーカー]で設定します。(必要が生じた場合です。)
  3. 段落または、複数段落の各行左端の整列は、[左インデント マーカー]で設定できます。

使用法

A:1行目の段落の中程に有る何文字かと、2行目の段落の中程に有る何文字を揃えたい場合で説明します。

B:小数点揃えタブを使用
各行に小数点付き数列が下記のように有った場合(ただし、数字は全角・半角可ですが、小数点は半角に限る)
うううううううううう123.56ううううううう
ええええええ5678.123ええええええええ
おおおおおお67.1おおおおおおおお
ううううううう123.45うううううううううううう
えええ345.6ええええええええええええ
おおおお3456.234おおおおおおおお
今度は文字列を入力し終えてからTABキーで区切ります。(同じことです。)

  1. 各数列の前で、[TAB]キーで区切ります。
  2. 各数列を[Ctrl]キーを押しながら選択します。
  3. タブを[小数点揃いタブ]に切り替えます。
  4. ルーラーの下の灰色部の、細い縦棒の有る位置の任意の点をクリックします。
  5. タブ マーカーの縦の点線上に、数列の小数点の位置が揃います。

小数点揃いタブ使用の図です

使用の実際ータブマーカー植え付け

2つの段落が離れている場合は、[Ctrl]キーを押しながら選択します。それから[Alt]キーを押しながら タブを植え付けます。下図のように目盛りが表示されるので、細かい数値合わせが出来るようになります。

第2図
タブ使用図

使用の実際ー出来上がり

第3図
タブ使用図

注)1つの段落が複数行あっても、また、何段落対照にしても、同じことです。
その他のタブの使い方については、下段の第11図を見て参考にしてください。

表内でのタブの設定

タブ設定図

作成した表内で、タブの設定をしようとして、セル内で[Tab]キーを押すと、隣のセルへ移動してしまいます。 単独では[tab]キーは使うことができません。
表内でタブを設定したい場合は、[Ctrl]キーを押しながら[Tab]キーを押します。なお、各セルは夫々段落を 形成します。
ついでに、[表]と[tab]キーの関係をもう一つ。
表の最終行で、もう1行追加したくなった場合は[Tab]キーを使います


文字(単位)グリッド線を引くに当たっての諸設定

オプション ダイアログボックスでの設定

第4図

[ツール(T)]メニュー →[オプション(O)]→[全般]タブをクリックします。
→[日本語用と英数字用に同じフォントを使う(F)]にチエックを入れます。
→[文字単位での編集を可能にする(H)]にチエックを入れます。→[OK]ボタンをクリックします。


編集記号の表示/非表示

第5図のとおりです。
ツールオプションダイアログ

ルーラーの表示/非表示

[表示(V)]メニュー →[ルーラー(L)]をクリックします。
赤枠にレ点が入り[オン]の状態になり「ルーラー」が表示されます。再度押すと非表示になります。

グリッド線の表示/非表示

表示/非表示の切り替えには、[表示(V)]メニュー →[グリッド線(G)]をクリックします。再度押 すと非表示になります。

それには前もって、グリッド線を表示する設定を行って置きます。
方法:その1
[ファイル(F)]→[ページ設定(U)]→ [ページ設定]ダイアログが表示されます。
→ [文字数と行数]タブをクリックします。
→ [グリッド線(W)]ボタンをクリックします → [グリッド線」ダイアログ表示されます
→ [グリッド線を表示する(L)]にチエックを入れます。
 (デフォルトのグリッド線表示可能な状態になります。)
方法:その2
[図形描画]ツールバー →[図形の調整(D)]→[グリッド(I)]をクリックします。
  ([図形描画]ツールバーの表示方法
[表示(V)]メニュー →[ツールバー(T)]をポイントして、サブメニューの[図形描画]をクリックします。)
→ [グリッド線」ダイアログ表示されます
→ [グリッド線を表示する(L)]にチエックを入れます。
 (デフォルトのグリッド線表示可能な状態になります。)

グリッド線の変更

第6図
ページ設定の図

上記「グリッド線の表示/非表示」の「その1」または、「その2」で[グリッド線」ダイアログを表示して 行います。
[ファイル(F)]→[ページ設定(U)]→ [ページ設定]ダイアログが表示されます。
→ [文字数と行数]タブをクリックします。
→ [グリッド線]ボタンをクリック → [グリッド線」ダイアログが表示されます。

→ [グリッド線の設定]欄の[文字グリッド線の間隔(Z)]の数値を変更します、例えば第7図の如く[1 字]に 設定します。
→ [グリッド線を表示する(L)]にチエックを入れます。
→ [文字グリッド線を表示する間隔(本)(T)]を[1]にします。
→ [グリッド線]ダイアログの[OK]ボタンをクリックします。
→ [ページ設定]ダイアログの[OK]ボタンをクリックします。



第7図
グリッド線ダイアログ

文字数に合わせて、グリッド線を表示すれば、[Alt]キーを押さないでも、容易に[0.5字]単位にマーカー をドラッグすることが出来ます。
また、縦グリッド線にマーカー点線を合わせるだけで目的が達せられます。
ここでは、[ページ設定]ダイアログから表示する方法で説明しました。
別な方法として、[図形描画]ツールバー →[図形の調整(D)]→[グリッド(I)]でも設定できます。この方が 簡単です。

第8図:左インデント マーカーと左揃えタブの設定例
ダイアログ表示


段落最初の字下げにスペースを使っても、[1行目のインデント]にしない設定

[ツール(T)]メニュー →[オートコレクトオプション(A)]→[オートコレクト]ダイアログが表示されます。
→[入力オートフォーマット]タブをクリックして、下記2つの設定を行います。
1.「□行の始まりのスペースを字下げに変更する」の□のチエックを外します。
2.「□Tab/Space/backSpaceキーでインデントとタブの設定を変更する」の□のチエックを外します。

第9図


文字数:35字、文字サイズ:12ptの設定画像
(書状テンプレートはマイクロソフトから)

第10図(50%の図です。)


ライン


リーダー線で繋ぐ(図書の目次などで見かけます。)

イとい5字は左インデントで1字字下げ ロ4字ろ5字は右揃えタブ ハとはの5字は中央揃えタブ  小数点付き数字は小数点揃えタブ

第11図
インデント・タブ設定例
手順

  1. 文字を入力し、タブを使って位置(例えば右側)を決めてから、選択しておきます。
  2. [書式(O)]メニュー →[タブとリーダー(T)]を選択します。
  3. リーダーの欄から設定したいタイプを選んでクリックします。
  4. [OK]をクリックします。
  5. リーダーを入れたい箇所で[タブ]キーをクリックします。
  6. 注)左列候補にタブを設定すると余りうまく行きません。後でインデント設定が良いと思います。
  7. 追補 [タブとリーダー]ダイアログからでも、タブの設定ができます。第8図 タブメニューで設定 がそれです。

ライン

第12図
インデントの継承解説

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